物語のある生活

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ザ・ノンフィクション「お母さん、隠しててゴメン」

ザ・ノンフィクション

お母さん、隠しててゴメン

2018年9月16日(日)放送分

語り:杉田かおる

 

今回の主人公は、自分の過去に苦しむ34歳の女性です。

女優 しじみさん。

しじみさんには、

消すに消せない過去があり、その過去に苦しんでいます。

 

しじみさんは、劇団に所属しておらずフリーで活動している役者です。

舞台のギャラは1回の出演につき4000円ほど。

生活はギリギリです。

家賃5万3千円の部屋で一人暮らしをしています。

薄っすらと埃が被った炊飯器…。

食事はコンビニで買ったもので済ませているそうです。

 

しじみさんは15年前に上京してきました。

その頃は、なんと月収100万円を超えるA〇女優でした。

(当時は持田茜という名前で活動)

A〇出演作は200本以上になります。

アイドル並みの人気だった、しじみさん。

 

しかし、悲しい思いもしてきました。

 

4年で業界を引退しましたが、実家へ戻れず。

OLなどの仕事を転々としていました。

しかし「女優」という肩書でスポットライトを浴びたかった。

しじみさんは、役者への道を選びました。

 

脇役ばかりで、生活はギリギリですが続けています。

主に舞台や自主映画、Vシネマなどに出演しているそうですが、

中には体を張った仕事も引き受けている しじみさん。

 

この日しじみさんが居たのは、A〇の撮影スタジオでした。

「脱ぐ役はやらない」と決めての出演です。

 

「言ってみればA〇の仕事じゃないですか?

そこから、なかなか抜け出せない?」

しじみさん「業界の人が歓迎してくれるし、

楽しくてズルズルとやってるけど、

自分でもどこへ向かってるんだろうなって思うのでそろそろやめないと…」

そう思いつつ続けているそう。

 

この日の撮影は2時間ほどでした。

拘束時間が短いうえに、

お給料をその場で現金払いで受け取れるという部分も、

しじみさんが抜け出せない理由のうちのひとつなのでしょうか。

(この日のギャラは22,274円でした)

撮影を終えてお給料を受け取ると、しじみさんは次の現場へ。

この後も、A〇のエキストラの仕事が入っているようです。

 

しじみさんの家族は、しじみさんの「今」を知らないそうです。

もう何年も両親ときちんと話をしていない、しじみさん…。

 

しじみさんは1983年、島根県で生まれました。

会社経営の父と公務員の母の元に生まれたしじみさん。

3姉妹の真ん中です。

些細なことで母親と大喧嘩をしてから、

しじみさんは家族の中で孤立したそうです。

 

中学2年の頃から、母親とはずっと話していないといいます。

しじみさんが東京に来ていることも知らせていません。

 

20歳のころ、家出同然で一人東京へやってきました。

上京したその日、渋谷で若い男に声をかけられたしじみさん。

 

それは、A〇のスカウトマンでした。

「〇Vやりませんか?」と声を掛けられ、特に条件は無かったそう。

不安に思うこともあまりなく、「やります!」と

すぐにその場で返事をした しじみさん。

 

一回限りのはずが、「はじめて自分が認められた」

そんな思いから、次々と〇V出演を続けていく しじみさん。

 

親にはバレるはずがない。

そう高をくくっていましたが、

気付けばコンビニに並ぶ専門誌の表紙を飾るほどになっていました。

 

4年ぶりに実家へ帰ったときも、現役でした。

そして両親は険しい顔で

「おまえ、A〇に出てるのか?」と言ったそうです。

 

その日から、祖父母の葬式や妹の結婚式などがあっても

しじみさんには知らされていなかったりすることがありました。

 

「しじみ」という今の芸名は、

故郷の名産である「しじみ」からきているそうです。

家族へのメッセージをこめて…。

 

しじみさんは友人と会いました。

しじみさんと同時期に〇V女優として人気を誇っていた

森下くるみさん。39歳。

 

森下くるみさんはA〇引退後、結婚し一児の母となりました。

しじみさんは、くるみさんに「家族との向き合い方」などを

話したいと思ってやってきました。

 

「昔の仕事を子供に知られたら?」

「何か悪いことしたかよって。」

「堂々と話す。それしかない。」

 

堂々とできるだろうか…

自分に溜め息をつく、しじみさん。

 

しじみさんには、交際相手がいます。

付き合って10ヶ月。

しじみさんの彼氏は舞台演出を手掛けています。

役者と演出家。互いに刺激し合える関係だといいます。

 

一般映画とは違うピンク映画にも出演していた、しじみさん。

ピンク映画で脱いでいることは、彼氏に隠しています。

いつか正直に話さないと…と思っていた矢先、

2人は将来のことについて話し始めました。

彼は、自分の気持ちをしじみさんに伝えます。

「いつか結婚して子供ができるかも知れない。

名前も残る仕事だし、今から脱ぐ仕事は無い方がいい…」

 

しじみさんの彼氏に対し、しじみさんは

「仕事が来ると嬉しいし楽しいけど、脱ぐばかりは切ない…」

こう話していました。

 

実は最近、脱ぐことが前提の仕事の話が来ているそう。

しじみさんの彼氏は、

「あとは勇気をもって断るだけじゃないかな…」と

しじみさんに話しました。

しじみさん、結局ピンク映画のことは彼の前で口にしませんでした。

 

そして、しじみさんは彼氏に内緒でピンク映画の撮影へ。

「呪いの赤襦袢」というタイトルで幽霊役を演じます。

共演者の佐倉萌さん(44歳)は、この道一筋のベテラン女優。

佐倉萌さんは、なんと母親で授乳中…。

しじみさんは、思わず佐倉萌さんに

「悩みを聞いてください!」と声をかけました。

彼氏からピンク映画(脱ぐ仕事)を反対されていると話すと、

佐倉萌さんは、

「別れればいいじゃない?

そんなの簡単な話。何を悩んでるの?」と、あっさりとした回答。

萌さんは、そういうことを言う人とは付き合わないといいます。

「喜んでくれる彼か、まったく興味のない彼。」

萌さんの言葉は、しじみさんに刺さりました。

 

数日後、しじみさんは彼を自宅へ呼びました。

最近ピンク映画に出て脱いだことを、彼氏に打ち明けました。

そして、反対されることが嬉しい反面、言われるのが嫌だ。

という気持ちも話しました。

彼氏は「そっか…」と残念な表情を見せましたが、

しじみさんの決意表明に対し、

「これからもやりたいならやればいい」と話しました。

 

そして、しじみさんは母親に電話をしました。

面と向かって会って、自分の気持ちも確かめたい。

しじみさんは、けじめを付けるため故郷へ向かいました。

空港で、お母さんと待ち合わせしてレストランへ向かいましたが、

なかなか話せない しじみさん…。

 

「役者として生活している」それだけは伝えてありました。

しじみさんは泣きながら切り出しました。

お母さんは、しじみさんの話を聞き、

「あなたが納得のいくように、このまま生きていけばいい」

そう言ってくれたのです。

「お母さんが、そんな風に思っているなんて思わなかった。」

しじみさんに笑顔が戻りました。

 

「たまには健康診断にも行くのよ」と

娘の健康を気遣う、お母さん。

しじみさんのお母さんは、ひっそりと

娘である しじみさんの事を応援してくれていました。

そしてこの日、しじみさんは十数年ぶりに

両親や妹と一緒に食卓を囲むことができました。

 

三か月後にはピンク映画の作品で準主役の座をゲットした

しじみさん。

「自分のやりたいように生きる」

自分の意志を貫いた、しじみさんでした。

 

<おわり>

 

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