物語のある生活

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ザ・ノンフィクション「仕事も恋も30代」日中共同制作第4弾

ザ・ノンフィクション

日中共同制作第4弾 上海発「仕事も恋も30代」

2018年8月19日(日)放送分

語り:眞島秀和

 

今回の主人公は仕事や恋に揺れる30代の女性。

白木綾音さん、31歳です。

2017年8月、上海で暮らす綾音さんに出会いました。

 

白木綾音さんは、

上海で日系企業の子供たちに向けた音楽教室を経営しています。

つばめミュージックスタジオという教室です。

非常勤講師は4人。

日本人相手に商売すれば上手くいくと、

30歳を機に会社勤めを辞めて事業を起こしました。

「夢でもあったし、やるなら今しかないと思った」

そう話す綾音さん。

 

しかし、音楽教室を開いてから1年。

すでに経営が上手くいかず、音楽教室は存続の危機が迫っていました。

 

一ヶ月の収入は日本円で約3万円。

経営不振から来るストレスで、綾音さんは太ってしまったそうです。

 

この時の音楽教室の生徒は40人。

月謝は初級クラスで1人およそ1万円。

単純計算で、40万円の収入です。

しかし、そこから家賃と人件費などを払うとカツカツの状態…。

生徒の人数を増やしていくしかありません。

 

綾音さんは、教室から歩いて10分の賃貸マンションに

両親と一緒に3人で暮らしています。

綾音さんの両親は上海生まれ、上海育ち。

綾音さんも、上海で生まれました。

父親の仕事の関係で、一家は日本に移住。

綾音さんは日本の小学校へ通いました。

そして、綾音さんが中学校の時に一家は日本に帰化しました。

 

自分の夢を叶えるため上海に戻ってきた綾音さん。

一人娘が心配で、両親も上海へ。

 

食卓の会話は、綾音さんの音楽教室を心配する会話ばかり。

母親から厳しい意見も。

しかし事実なので、反論はできません。

二年目は、これ以上良くなるか教室が無くなるかのどちらか。

借金をしてまで続けようとは思っていない。

心配する両親の前で話す綾音さんです。

 

そんな綾音さんに、あるトラブルが発生。

 

音楽教室が入っているビルの下の階からクレームが。

下の階は中国人のオフィスでした。

 

なんと、音楽教室から水漏れしていて

事務所にあった資料などが水浸しに…!

急いで教室へ確認しに行く綾音さん。

 

水漏れの原因は、洗濯機でした。

洗濯機と蛇口を結ぶホースが緩んでいたようです。

蛇口を閉め、オフィスに再度謝りに行く綾音さん。

 

翌日、お詫びの品を持ってオフィスを訪れました。

水漏れは止まっており、弁償は求められませんでした。

 

ある雨の日。

綾音さんは、教室の生徒を増やしたいと営業活動。

日本人が多く集まるという夏祭りイベントに参加することに。

チラシを置かせてもらいました。

 

綾音さんは、仕事以外にも悩みを抱えていました。

それは、半年前から付き合っている彼氏のこと。

彼氏は西山 賢(にしやま すぐる)さん。

 

2人は上海で知り合いました。

偶然にも誕生日が一緒。

賢さんは二年後には帰国予定。

しかし綾音さんは音楽教室を開いたばかり。

「このまま一緒にいて本当にいいのかなって。」

今後のことを考えると自信が無いといいます。

 

夏祭りイベント当日。

夏祭りでは屋台を出して、1人でも多くの生徒を集めたい。

料理人の父親やおじさんにも手伝ってもらいます。

綾音さんの恋人、賢さんも仕事後に駆け付けました。

 

夏祭り会場には、上海に住む日本人家族が大勢集まりました。

屋台の目につくところに教室のチラシを置き、

夜には綾音さん自らピアノを弾きお客さんを集めました。

ピアノに興味を持ってくれた女の子も。

 

夏祭りの営業効果で、問い合わせが4件あったそうです。

中国人からの問い合わせもあり、体験レッスンも開きました。

 

上海に住む中国人は、

音楽をはじめとする情操教育にお金をかけるのは当たり前。

街のいたるところに音楽教室があるそうです。

日本人の生徒に固執していた綾音さんですが、

中国人の生徒も積極的に受け入れて行くことにしました。

「10人か15人くらい増えたら嬉しい」

そう綾音さんは話していました。

 

2017年10月

 

綾音さんと賢さんは、休みを利用して日本へ。

三重県の伊勢市に旅行に来ていました。

そして綾音さんたち2人は、さんの実家がある三重県伊賀市へ。

気さくに話しかけてくれるお母さん。

緊張しながら家族の前でピアノを披露する場面も。

綾音さん、温かく迎え入れてもらえたようです。

 

大阪へやってきた2人。

 

実は、賢さんは綾音さんにプロポーズしようと考えていたようで、

ザノンフィクションの番組スタッフにこんなメールが。

撮影は、少し離れたところから。

真っ赤なバラの花束50本を用意して、綾音さんにプロポーズ。

2人は結婚することになりました。

 

2017年12月 上海

 

プロポーズから二ヶ月が経ちました。

薬指にダイヤの婚約指輪を付けた綾音さんが居ました。

 

つばめミュージックスタジオの音楽発表会があり、

今回の発表会では、

日中の子供たちが初めて同じ舞台に立つという特別なものでした。

音楽を通じて、日中の懸け橋になりたいという綾音さんの夢は

一歩踏み出したのです。

 

ところが1週間後、綾音さんに連絡が。

日本企業の人事異動に伴い、

教室を退会したいという連絡が相次いでいました…。

綾音さんを不安が襲います。

 

それから半年後 2018年6月

 

ザノンフィクションの番組スタッフが再び綾音さんの元を訪ねます。

すると、4月の人事異動で思いのほか

日本人の生徒が増え、中国人の生徒も増えていました。

生徒数は51人に。

収入も増え、一安心の様子です。

 

賢さんと離れ離れなので、不安はありますが、

今やれることをやりましょうと、お互い決めたそうです。

 

2018年6月17日 京都

 

綾音さんは京都で結婚式をあげました。

しかし、上海で2人が一緒に暮らせるのは来年の予定。

その後、綾音さんの音楽教室をどうするのかは何も決まっていません。

これから、まだ日本と中国の間で悩むことは出てきそうです。

「どういう結果になっても後悔が無いようにしていきたいです。」

綾音さんはそう話していました。

 

<おわり>

 

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