物語のある生活

好きな作品、気になる作品など記録するブログです。



NNNドキュメント「孤独をなくしたい 進め、分身ロボット」

8月に放送された番組ですが、

とても感動して心に響くドキュメンタリーだったので記録。

 

ロボット開発者の吉藤オリィさんが生み出した

分身ロボット「オリヒメ」

人と人を繋ぐ、本当に素晴らしいロボットだと思いました。

もっともっと広まってほしい。

 

そして本郷奏多さんの語りが素敵でした。

 

NNNドキュメント

「孤独をなくしたい 進め、分身ロボット」

2018年8月20日(月)放送分

語り:本郷奏多

 

自ら作った黒い白衣を12年間毎日着ている、ちょっと変わった発明家。

吉藤オリィ、30歳。

少年時代、1人で折り紙ばかり折っていたので

「オリィ」というあだ名が付いた。

 

吉藤オリィは世界中から注目を浴びるようになった。

彼が作り出したのは、分身ロボット「オリヒメ」。

オリヒメは、世界中どこからでも

スマホやパソコンで遠隔操作ができるロボット。

オリヒメにはマイクとスピーカー、カメラが内蔵されており、

離れていても、自分の分身としてその場に存在することができる。

 

とある大学の同窓会に、オリヒメの姿があった。

このオリヒメは、病院いる同級生の分身。

難病で寝たきりになった彼がオリヒメを遠隔操作して、

昔の仲間と交流していたのだ。

「メニュー何がいい?」と聞いていた男性は、

「会ってないのにすごい会った感じがします。」と話していた。

 

このオリヒメで、外に出られない人たちを救う。

病気などで学校に行くことが難しい孤独な子供が

ベッドの上からオリヒメを使い授業を受けたり、友達と話したりできる。

 

東京都三鷹市にある、株式会社 オリィ研究所。

オリヒメを開発し、レンタルサービスなどを行っている。

2012年に設立し、社員は全部で12名。

 

この日は、社員が自宅からオリヒメを遠隔操作し、

自宅からでも仕事ができるのかを実験していた。

 

吉藤がオリヒメを思いついた理由とは…

 

それは、少年時代に感じた強烈な孤独感。

小学生のころに経験した不登校。

病気、いじめ、3年半もひきこもっていた少年時代。

「あの頃は本当につらかった」そう話す吉藤が居た。

 

だが、その少年はやがて、

自分を孤独から救ってくれるロボットを独学で作り始める。

 

そして2010年(吉藤が23歳のころ)

OriHime「オリヒメ」を発表した。

オリヒメを発表し、吉藤は世界から注目を浴びるように。

日々思いつくままに発明し、手作業で作っていく。

 

オリヒメを改良した吉藤は、ある場所へ向かった。

ALS患者、岡部さんの自宅。

ALS(筋委縮性側索硬化症)とは、

意識がはっきりしている中、全身の筋力が失われていく難病。

 

岡部さんは透明文字盤を使用して意思伝達を行っている。

吉藤は、眼球の動きだけでオリヒメを操作できるように開発。

 

寝たままでも、オリヒメを通じて部屋の中を見渡すことができる。

視線の動きで文字を入力し、会話もできるように。

 

「孤独を無くそう」と改良を重ねてきたオリヒメが、

福祉の分野で急速に普及。

 

2016年10月 東京・国際福祉機器展

 

会場にやってきたのは、オリィ研究所の社員である

番田雄太さん。吉藤の秘書兼広報の仕事を担当。

4歳のころ交通事故に遭い、

首から下が動かない。人工呼吸器を付けての生活を送っている。

 

この日、番田は見学者の前で自らオリヒメを操作するところを見せた。

 

番田と吉藤が出会ったのは4年前。

オリヒメの存在を知った番田が吉藤にメールを送ったのがきっかけ。

吉藤は、すぐに岩手県にある番田の自宅を訪ねた。

孤独を知る者同士、すぐに意気投合し、始めたできた親友だった。

 

それから3年間、

番田は毎日、サングラス姿のオリヒメで出社していた。

吉藤の秘書兼広報として、

岩手県の自宅から、自分の顎を使ってオリヒメ遠隔操作。

スケジュール管理やメディアの取材対応まで一人でこなす。

 

「独りの時間が多かった自分にとってオリヒメでつながった

出会いは多く、可能性は無限大にあると思っています。」

番田は、こう話していた。

 

吉藤は常に、番田のオリヒメと行動を共にする。

 

2016年、吉藤は休日になると何かを作り始めていた。

 

「移動ができて、物も運べるようになるかも。」

さらに自由に動き回ることができる、

人型の大きなオリヒメの完成を目指していた。

デザインから部品作り、プログラミングまで全て手作業。

 

なぜ作るのか。

 

それは、番田のため。

病気で寝たきり生活を送る親友の願いに応えるため。

 

2017年5月

 

新型オリヒメの開発をはじめて1年が経った頃、

番田の容態が急変し、吉藤は病院へ駆けつけた。

意識がほとんどない番田に、吉藤は1時間以上話しかけ続けた。

 

この日の会話が2人の最後の会話となった…。

 

新型オリヒメの開発はストップした。

 

しかし、忘れられない番田の言葉。

ちょうど1年前、みんなの前で語った番田の言葉。

「毎日多くのことを考えました。このままでは無駄に死んでしまう。」

新型オリヒメの完成を誰よりも楽しみにしていたのは、番田だった。

 

2018年4月

 

吉藤は、新型オリヒメの開発を再開していた。

食事をしたかどうかも忘れてしまうほど開発に没頭した。

 

そして失敗を繰り返すこと2年。

 

いよいよ実証実験の日を迎え、

向かったのは、あの岡部さんの自宅。

まずは、眼球の動きだけでオリヒメを移動させることができるか。

動いた!

岡部さんはベッドに居ながら、自分の意思でオリヒメを動かした。

そして介護ヘルパーが玄関に到着すると、オリヒメがお出迎え。

来客があっても自分で出迎えることができず、もどかしさを感じていた。

 

吉藤は、岡部さんに

コーヒーを自分のところまで運んでほしいと頼んだ。

 

「なんか本当に分身みたいだなぁ」と岡部さん。

 

さらに改良を加えるため、

吉藤は岡部さんの要望を一言も漏らさずメモした。

 

もう開発は、ストップしない。

 

「やらなきゃいけないと思っていることは

私の場合は“孤独の解消”なのでロボットにこだわるつもりはない」

 

孤独の解消のための開発は、この先も続いていく…

 

 

<おわり>